「あと一段……だね」 まりあの声を背中に感じる。 私にどうしろというのだろう。 「……海結は、死んでしまうの?」 そのセリフは、以前にも聞いたことがあるような気がした。 ……ああ、良也のことで癇癪をおこした時だったかな。 ずいぶん昔のことのように感じる。