「海結」
 



まりあが息を切らせて、私の名前を呼ぶ。
振り返ると、愛しいその姿。優しい笑顔。
 



まりあ、まりあは私に、海結がいたから生きたいと思った、と言った。
生きてほしい、そういう意味と思っていいのかな?




けれど、まりあ。
まりあは、助けてはくれないのでしょう? 



きっと、いや、絶対に、まりあは知っている。
私がいじめられていること。



なのに、助けてはくれない。
そんなこと、言っちゃダメだってわかっている。



でも、やっぱり……いじめは辛い。痛い。苦しい。