カコーン、と、音がした。 頭に激痛が走る。 麗子だ。 即座にわかった。 私の頭に当たったものは、ほうきの柄だった。 「掃除しなよー。 汚いわよ。廊下も、あんたも」 走った。 これでも足は速い方だった。だけど、逃げ込んだ場所が悪かった。 女子トイレ。 ここは格好のいじめの場だ。 入った後から、物凄い勢いで後悔したが、もう半分諦めていた。 何をされても泣かない。