天国への階段 ―いじめ―

 


どうして、私が泣かなきゃいけないんだろう?


数えきれないどうしてが、むなしく胸を締め付ける。


前は、泣くことが悔しくて、麗子にどんなことされても泣きたくはなかった。



小学校の頃、人気者としてのプライドを持っていた。
だからこそ、いじめられている自分がより惨めに見えた。


あわれな目でこちらを見てほしくなかった。
だから、我慢して、我慢して…だから、口の中を噛むのが癖になった。



それでも、口の中が血でいっぱいになっても、涙が堪えきれなくなって、泣いて。



泣くから麗子はまた私をいじめる。
わかっている。
わかっているのに、涙は止まらない。