天国への階段 ―いじめ―





「離してっ!」
 



麗子の腕を振り払おうと試みたものの、ガシッと掴まれて離れなかった。



コワイ。イヤダ。ヤメテ。



「麗子!」
 


少し経つと、英子が息を切らせてトイレに飛び込んできた。



「英子、万里香、おさえて」
 



麗子がそう言い、海結の腕を顎で示す。
英子と万里香はそれに従って、腕を強く掴み、壁に抑えつけた。



すると、遅れて亜未がやってきて、ニッと笑った。
英子の「亜未、はやく」という言葉に、亜未は頷き、海結のもとへと近づいた。




そして、ドスッと、海結のお腹に蹴りを入れた。