天国への階段 ―いじめ―






五月の初め。


安っぽいスーパー。
通りかかった時、同じクラスの斉藤海結をみかけた。




隣にいるのは……母親?





「ママ、それ重いでしょ。
あたしが持つよ」


「これくらい持てるわよぉ」


「いいよ。持つよ」


「あら、ありがとう」





普通の会話。
でも、温かみのある家族の、親と子の会話。





羨ましかった。