「海結は、どこに住んでるの?」 唐突なその言葉に驚いた。 けれど、いままで通り会話ができることが嬉しくて、戸惑いながらも答えた。 「雨舘川沿いの、雨舘グラウンドのすぐ隣の小さいアパート……」 「そうなんだ? 結構遠い……よね?」 まりあの問いに、声に出さず頷いた。 家の場所が違って、中学校も違ったら……いじめにあうことなんてなかったのかな。 ふと、そんなことをぼんやりと思った。