天国への階段 ―いじめ―




「……よろしくね。
まりあのこと」
 



そう言って、吉村くんは去って行った。
私は、呆然と立ち尽くすばかりだ。




「……とも…だ…ち?」
 



ゆっくりと唇を動かす。



誰にも聞こえないような、小さな小さな声でそう呟いてみる。



胸に、熱いものが込み上げてきた。
眉間に皺を寄せて、今にも泣きそうになる。