本当は、南川清奈の場所に、斉藤海結がいたのだ。 あそこで、笑っていたんだ。 誰よりも明るく、優しかった、良也。 私は良也が大好きだった。 毎日が楽しくて、嬉しくて。 良也と二人でいられたなら……いじめだって耐えられたかもしれない……。 良也。 ――よく、私という消えない重荷がありながら、南川清奈とつきあえたね。