天国への階段 ―いじめ―

 



なんて残酷なのだろう。
 



通学途中。
目の前に、遠山良也と南川清奈の二人がいる。
 


遠山良也。
彼は、かつて私とつき合っていた人だった。



私は、泣きそうになるのをこらえて口の中を噛み、目線を下げた。

うつむいたら涙がこぼれ落ちそうだった。
 


見たくない。
楽しそうに笑う良也を、見たくない。



昔の自分が思い出されて、嫌だ。
気持ちが悪い。吐きそうになる。