もしかしたら、いるかもしれない。 たとえそれが、 麗子じゃなかったとしても、 万里香じゃなかったとしても、 ひとり、いるかもしれない。 麗子たちのいる教室に入る恐怖の中に、そんなほんの少しの期待をきらめかせて教室のドアを開け、失望する。 私は何度、裏切られてきたことか。 どれだけ、胸を痛めたことか。 でも、もう大丈夫。 胸を傷める心配はない。 私には心の支えがある。