天国への階段 ―いじめ―





「……海結は?
兄弟、いるの?」
 


ひとしきり笑いがおさまったところで、まりあが言った。



「……いないよ。
一人っ子。
今は、お母さんと二人暮らし」
 


まりあは、ふうんと言っただけだった。
そして、後から、



「仲良いの?お母さんと」
と言った。



私は優しく微笑んで、うん、と頷いた。

まりあは、目を細めて微笑み返す。
そして、いいね、と柔らかく呟く。