天国への階段 ―いじめ―




ドクンと、心臓が高鳴った。
……まりあの妹?



“まりあ”という言葉に反応してしまうのは、つけ上がりだろうか。
ただ、少しだけまりあと話したことがあるだけの、私の。




男子たちが騒いでいるのを見ていると、忘れかけていたまりあの位置をくっきりと思いだした。




まりあは“特別”なのだ。
この学校の”お姫様”なのだ。

私なんかが……見る事も許されないような、そんな存在なんだ。



お姫様に近づいていいのは、お姫様か王子様だけ。
あの麗子でさえも、まりあは遠い存在だとしている。




先輩も、先生も、後輩も……だれもが、まりあを“特別”にする。
それは、普通とはかけ離れたまりあの容姿や、性格、能力からだろう。