もしかしたら。 普段はただ、麗子に逆らえないだけ? ――……。 期待を膨らませるのは、もう、終わりにしよう。 今更だ。 「I become the sky.」 なんとなく、呟いてみる。 私は空になる。 その一言で、すべてが流れていく気がした。 サラサラと。 今、自分が何の気持ちを流したのかはわからない。 万里香への期待だろうか。 さっきよりもずっと、透明な気持ちになれた気がする。 “I become the sky.” おまじないのような言葉だ。