狼クン達のオリの中②【完】

「ら・・・蘭ちゃん・・」



蘭ちゃんの後ろ姿を目で追うあたしの顎を。。



綾瀬涼がつかんで、引き戻す。



「ねぇ。
由梨は。
楽しみにしてなかった?
さっきの続き」



おもむろに眼鏡をはずし、ポケットにしまう。




「楽しみにしてたの・・・オレだけ?」



甘く切ないため息に、綾瀬涼の色香があふれ出す。




「そ・・それは・・・」



「オレは、授業中もずっと由梨のことばかり考えていたのに」



「え?」



「こんなに好きなのって、オレだけ?」



綾瀬涼が、困ったような表情を浮かべる。