狼クン達のオリの中②【完】

「あーあ。
無理しちゃって。
会いたくて、たまらないくせに~」



薫は首を傾け、金色の髪をサラサラ揺らす。



「別にいーよ?
ボク、一人で、行くから」



切り捨てるように言って、



“やれやれ、素直じゃないなぁ”



とでも言うように首を横に振り、あたしの腕を離す。



くっ・・・
薫のやつ。



歯軋りするあたしの視界のすみ。



「じゃーねー♪」



ひらひら手を振る薫が映る。