そう、綾瀬涼は、旅だった――… 『このオレが、電話してやるから、必ず出ろよ?』 この言葉を残して――… なのに! なのに!! 「お姉ちゃん、涼兄から、連絡あった?」 薫が、同情するような目を、あたしに向ける。 「う・・・・・それは・・」 ない!! 一回も、ない!!