『そんなの、このオレが不便すぎる』 ・・・って。 ・・・こいつ。 どこまで行っても、綾瀬涼だな。 綾瀬涼にわからないように苦笑するあたしに、 「由梨、聞いてるのか?」 綾瀬涼はあごを突き出し、切れ長の綺麗な目を生意気そうに半開きにし、 「ありがたく思えって話だよ。 これをおまえにやる。 このオレが、電話してやるから、必ず出ろよ?」 これでもか!っていうほどのオレ様っぷりを発揮して、アメリカに旅立った。