狼クン達のオリの中②【完】

「あれ?
おまえ、今日は逃げないの?」



綾瀬涼があたしの肩の横に手をつき、



からかうような瞳で、あたしを見下ろす。




「あれ?
おまえ、今日は、オレを突き飛ばさないの?」



意地悪そうに微笑んで、あたしの髪を優しく撫でる。





「に・・・逃げないよ?」



あたしは、ドキドキする胸をギュッと押さえ、




「だって。
だって、今、あたし。
すっごく幸せだもん。
大好きな涼と一緒にいられて、すっごく幸せだもん」



綾瀬涼の綺麗な顔を見上げた。