狼クン達のオリの中②【完】

ボーっと立ち尽くすあたしを見て、




「ご褒美」




足を組んでソファに座っていた綾瀬涼が、立ち上がる。




「これは、由梨への、ご褒美」



あたしの前まで来て、優しく笑う。





「え?
ご褒美って・・・?」



あたし、ご褒美もらえるようなこと、何もしてない。


キョトンとするあたしを可笑しそうに見下ろし、



「約束しただろ?
例えば、
由梨がテストで100点とったら、花束をプレゼントしてやるって」



綾瀬涼は、あたしの濡れた髪に、大きく咲いたバラの花をさした。