狼クン達のオリの中②【完】

「え?」



「やっと、二人っきりに、なれたのに」



「え?」



「男が。
好きな女の子を前にして、どんな気持ちに、なると思う?」



切れ長の目の中。



切ない光が浮かび上がり、



「由梨・・・。
さっきの言葉は、嘘だったの?」



綾瀬涼は、唇をかみ締める。



「オレ、また、傷つかなきゃ、いけないのかな?」



見る見るうちに、綾瀬涼の目には涙が浮かび、



それを隠すように、綾瀬涼は後ろを向いた。