狼クン達のオリの中②【完】

「由梨が、そんなに、頼むなら」



綾瀬涼は、口の端を歪め、意地悪そうに微笑み、



「おまえだけを、見てやるよ」



細くて長い、綺麗な指を、あたしの顎にかけ、



甘い瞳で、あたしの瞳をのぞきこむ。









「由梨が、そんなに、頼むなら」



冷たい顔であたしを見下ろし、



「おまえだけを、抱きしめて、やる」



ギュッと、折れるくらいの力で、あたしを抱きしめる。