そんな二人の姿は、悔しいくらい、綺麗で、



悲しいはずなのに、



絶対見たくないのに、



目が吸い寄せられる。






心が、ジンジン痛んで、服をギュッとつかむ。







ただ、


“好き”って言葉を、


伝えることが、こんなに難しいなんて。







でも、


“好き”って言葉を、


綾瀬涼に、こんなに伝えたいなんて。






『好きだよ・・・。
綾瀬涼・・・』





心からあふれ――…


――でも、伝えられない言葉を


あたしは、コンクリートの地面に向かって、呟いた。