「じゃあ・・。 そろそろ、本番行くぞ~」 監督さんの声が、夕暮れの空に響く。 え・・・。 本番・・・・って。 これから撮るものが、本当に、テレビで流されちゃうの? 嫌だな・・・。 でも、だからといって、あたしに邪魔できるわけでもないし。 あたしは唇をかみ締めながら、玲王の去っていった方向を見つめた。 玲王。 やっぱり、あたしには、無理・・・だよ。 ごめんね。 応援してくれたのに。 あたしも・・・帰るよ。 ・・・・・・・逃げるよ・・・・。