モデルなんて、やめてよ。


他の女の子に、キャーキャー言われたくないの。


綾瀬涼は、あたしだけの彼氏なんだから。


だから、ダメって言ったの。


そんなの決まってるじゃん!!


わかってよ!!



遠くなる背中に向かって、この気持ちが伝わるように、念力を送る。





でも――…






ほんの一瞬振り向いた綾瀬涼に。



“やった♪
あたしの思いが通じたの?”



――そう思ったのは、つかの間。



綾瀬涼は唇を真一文字に結び。



険しい顔をあたしに向けた後。



ツンと、顔を、あたしから、逸らした。