しかし背後からも恐怖はやってくる。 まさに四面楚歌。 「見つけたぞ」 低く響くトイチの声。 怒りを隠そうともしないその声に、私の心は諦念で満ち溢れる。 絶体絶命だと。 「俺は仲間はいらない。一人ですべていただく。だから全員殺す!!」 トイチの殺気立った声が響く。 気が違えたように。 呪文のように。 不安でリクを見ると、リクはなぜか笑顔満点だ。 何? なんか、怖い。