走り続けて森を抜けると、そこには絶望があった。 崖、だ。 切り立った絶壁。 「降りて」 私はリクの背中から地上に足をつけた。 昔の二時間ドラマに使われそうな、恐怖満点の崖は私の足を否応なしに震わせる。 見下ろすと、夜の暗い水は全てを飲みこみそうに見える。 川なのか、海なのか。