折れた枝が足の裏につき刺さる。 湿度を持った土に足がもつれて、うまく走れない。 雨が体温を奪い、身体の芯から冷えているのを感じる。 後ろからくる「走れ」という声。 ただそれに従って山道を走り続けた。 リクの言葉通りに。 「はぁはぁ、もう走れないよ」 誰もいないのに言い訳のように呟く。 それは私自身へなのか、それとも。