「えっ・・・・・・」 聞き覚えのある不吉な音。 銃声だ。 リクの顔が強張っている。 リクは眉をひそめドアを見つめたまま、私と目は合わない。 無意識にリクを見ている自分に気づき、私は驚く。 不安なとき、人は人を見る。自分だけの恐怖や不安を共有するように。 その相手が、リクであったという事実。 そんなに信用している意識なんてなかったのに。 「下がって」 声を落として、リクは言う。 私は動けない。