トゥーンの街の
夜が一層深まる頃
この少女は
丘に登っていた。
トゥーンの街全体と、
オトギの中心の街「ミラ」を
望むことができる。
丘には
緑と木の葉が
綺麗に散りばめられている。
少女は思わず
仰向けになって
寝転がってみる。
「ねえ、今日は不思議な夢をみたの」
彼女はそうやって
月に向かって呟いた。
いつものように。
ため息混じりの
透き通った声。
ゆらゆらと
月の光が映る
漆黒の瞳。
ふわふわとなびく
ブロンドの髪に
誰もが目を奪われる
可愛い容姿。
しかし
それが彼女の
全てではない。
彼女はとても魅力的。