白球追いかけて

 すべてが予測できた。ボールの「シュー」と風を切る効果音までが、そこには流れていた。シータがボールを避けようと、思いっきり頭を大きく振ったが、ボールは顔面のやや上あたりをめがけて飛んでいく。ヘルメットが落ちた。シータのアタマに白球がめりこんでいく。
 オレはその場で逃げたいくらいの恐怖感を覚えた。