でも、こんなセコイ人間だけど… こんな、すぐ泣いてばっかりいる人間だけど… やっぱり好きなんだもん。 優信の事が… 「そか。」 楓夏はそれだけをあたしに言った。 沈黙する二人。 黙々と元来た道を戻って、海の家。 「…お前ら、何つれねぇ顔してんだよ~!」 ぽんっと右肩をたたかれる。 瞬間的に後ろを振り向く。 「あ、翔」 「おう!さっきぶり!」 あたしはどよーん雰囲気で話しかける。 それに気づいた楓夏は 「もーーーーう!翔はアホなの?それとも馬鹿なの?」 「ん?俺は馬鹿だ!」