そう言っても瑠花は鼻で笑うんだろうね。
今は言わないけれど。



「どうして一人で行動すんの?迷ったらどうすんの?俺たちだって心配するだろ。だからさっきみたいに知らない奴が声掛けるんだろ」




「何でそんな怒ってるの?名前とクラス聞かれてただけじゃない」




名前とクラス?
そういうのがナンパというのではないのですか?
瑠花は何も分かってないね。
呆れて言葉も浮かんで来ない。



「ちょっとこんなとこで喧嘩はやめようよ。さっきから人、見てるよ」




渓斗は文庫本をカバンにしまい、俺と瑠花の間に立った。
両方の肩を掴み感情を抑えるように指示をする。




「だから瑠花は恋愛できないのよ」



眉間に皺を寄せて瑠花はこう投げ捨てる。


何だって?
今何て言った?