気づくわけない…か。
小さく笑い、視線を空に向ける。
青い空に真っ白な雲。
キミたちはお似合いだね。
心からそう思うよ。
「まもなく2番線に電車がまいります。ご注意ください」
ホームにアナウンスが響き渡る。
遠くから電車が走ってくる。
そして指定の場所に停まり、ゆっくりとドアが開いた。
やはり通勤通学ラッシュなのかその小さな箱はすでにたくさんの人で埋まっていた。
「瑠花…毎日こんな電車乗るの無理…」
言うと思った。
瑠花は人混みが大の苦手だからきっと言うのだろうなって思っていたよ。
そしたら案の定。
こういうことは分かるのだから瑠花の気になる人くらい分かってもいいのに。
でもそれはダメだ。
分かってしまったら俺はそいつを恨むだろうから。
電車が揺れる度、人と人が触れ合う。
瑠花は俺と渓斗の間にすっぽりと収まっていた。
ふとそのとき気づいてしまう。
「あれ?瑠花ってこんな小さかったっけ?」


