お願いだから急に起きないでよ?
俺はそーっと瑠花に近づいていく。
朝陽に当たる瑠花の寝顔がたまらないくらい可愛くて。
自分でも分かってる。
罪なことしてるって。
だってこれ不法侵入だろ?
それに寝込みを襲うなんて…
でも止められないんだ。
加速していくんだ。
瑠花が好きという気持ちが。
毛並の細い髪の毛へと手を伸ばす。
ずっと前から一回触りたかったんだよね。
さらさらな髪の毛を。
心臓の音が大きく響き渡る。
頼む、起きないでくれ。
「…あのさ、それはやっぱりマズイんじゃない?」
すると突然ある人の声が聞こえた。
体が硬直し、身動きがとれなくなる。
ゆっくりと視線を声が聞こえてきた方向に移すと、そこには壁にもたれ掛かり腕組みをする渓斗がいた。
い…いつからそこに…
「さすがに寝込みを襲うのはダメだと思うよ、俊介くん?」
「いつからそこにいたんだよ!!」


