夜空に咲く僕たちの願い



仕事はまだ終わっていません。あいつが起きたら俺の役目は終了です。


星柄のハイカットを再び履いて次は隣の家へ。
そう、瑠花の家だ。
ピンポーンと呼び出し音を鳴らし、少ししたら扉が開いた。



「お、俊介!毎日悪いな」



迎えてくれたのは瑠花のお父さんだった。
瑠花のお父さんも渓斗のお母さんと同じ、母さんの大学生時代のサークル仲間だった。
でも瑠花のお母さんだけは違う。
瑠花のお父さんとお母さんの出逢いは職場だって昔母さんに聞いたことがある。


細身のスーツを着こなした瑠花のお父さんはいつ見てもかっこいいと思ってしまう。
髭を生やしているがそれがワイルドなのだ。



「瑠花、ちゃんと起きてる?今日から高校生なんだからそろそろ自分で起きてもらわなきゃ」



「瑠花が起きてるわけないだろ?瑠花を起こすために俊介がいるんだから」



笑いながら俺を部屋に案内する瑠花のお父さん。
俺の存在って…と思うけれど嬉しい気持ちの方が大きい。