さぁ、そろそろ起こしますか。俺の必殺技をご覧ください。
ベッドに近づき、枕元に顔を向ける。
そしてこう囁いた。
「起きないとチューするぞ」
この方法が一番成功するのだ。今まで必死になって考えた結果がこれ。
笑ってもいいですよ?
そうしないと渓斗は起きてくれないのだから。
「…できるもんならしてみろよ」
すると布団の中から声が聞こえてきた。
その次の瞬間、渓斗が不機嫌そうな顔を出す。
ほら、一回で起きた。
「じゃあしましょうか?」
目を閉じて顔を近づけると渓斗は手で阻止をする。
渓斗の手が顔面直撃中。
痛い…ですけど…
「やめろって!朝から気持ち悪いことすんな!!起きるから!!」
「素直でよろしい。早く準備しろよー」
「はいはい」
渓斗は欠伸をしながら体を起こした。
朝日が渓斗を照らす。
大人っぽくなってさらにかっこよくなった渓斗に俺は見とれてしまった。


