翔太に借りた車に乗り俺はある場所へと向かった。
赤いオープンカーにウェディングドレスを着た花嫁とスーツ姿の俺。
街行く人たちは何度も振り返り俺たちを見ていた。
そして着いた場所。
それはあの願い事をしたあの公園。
歩きにくそうな瑠花に気を遣っていると瑠花は「歩きにくい」とヒールを脱ぎ捨てて裸足になった。
そんな斬新さが今の格好と不釣り合いで笑えてしまう。
暗くなりはじめる世界。
空にはちらほらと星たちが顔を出していた。
「…瑠花、願い事をしよう。俺の願いは今日叶ったから…違う願い事をしよう」
瑠花は真っ赤に顔を染めて満面の笑みを見せる。
「…うん。じゃあ目を閉じて、いっしょにね」
俺と瑠花は目を閉じて星に願い事をする―…
俺の願いは―…
…永遠に瑠花と一緒にいられますように―…
願い事をすると俺は瑠花の腕を掴み抱き寄せた。
「瑠花…綺麗だよ…」
ずっと見たかったんだ。
瑠花のウェディングドレス姿。
「…当たり前でしょ?」
そう言って瑠花は俺の背中に手を回す。
すべてを捨ててもキミと一緒にいたい。
これからも…ずっと。
ううん、永遠に―…
「瑠花…大好きだよ」
「えっ?大好きなの?」
ごめんごめん、言う言葉間違えたみたいだ。
今はこの言葉の方がふさわしいよね…
「…愛してるよ」
「瑠花も…愛してる」
満天の星空の下で神様に誓うように、俺たちはキスをする…。
…END―…*


