瑠花はそれでも俺を選んでくれたということか?
でも本当なのか…確信がない。
すると左隣にいた翔太が声を出した。
「俊介くんは勘違いしてるみたいだけど、あの日真実教えてくれたのは瑠花ちゃんなんだ。『俊介と幸せな想い出をつくりたい』って頭を下げられてさ。そんな必死になるくらい瑠花ちゃんは俊介くんが好きなんだなって思った。瑠花ちゃんが何か逞しかったよ」
そう笑いながら翔太は言う。
やはり動揺が隠しきれない。
翔太は渓斗に聞いたわけではなかったのか。
口を少し噛む。
「…瑠花の願い事知ってるか?」
「…え…?」
渓斗は俺を真剣な瞳で見た。
瑠花の願い、それは―…
「俊介がずっと幸せでありますように…だ。」
息ができなくなった。
涙が頬を伝っていくのが分かった。
俺は何をしていたんだ…
瑠花はこんなにも俺を思ってくれていたのに―…
気づいてないのは俺の方だった…


