そのまま疑問だけが継続していく。
チャペルへ誘導されて瑠花が入場してくるのを待つ俺たち。
そのバカでかい敷地に驚いた。資産家というのは嘘ではないな。
ちらりと相手を見ると自信たっぷりな様子で親族に笑顔を向けていた。
その姿が癪に障る。
あれが瑠花の旦那になる人?
俺の方が全然マシじゃないか。
すると隣にいた渓斗が言葉を漏らしていく。
俺はその言葉を聞いて戸惑いを隠せなかった。
「…俊介にはずっと黙っておこうと思ってたけど、瑠花は全部知ってたんだ」
「…なにを?」
「兄妹だったってこと…」
心の奥が痛くなる。
それって…どういうことだよ…
知ってたってなに?
え…どういうこと?
頭の中が混乱している。
目眩しそうになった。
「瑠花は全部知ってたんだ。知ったのは入学式の前の日。お母さんから聞いたらしいんだ。」
そういえば入学式の日、瑠花を起こしに行ったとき「パパとママが喧嘩をしていた」と言っていたな…
もしかして俺たちが兄妹だと遊心さんに問いただしたのか?
それで二人は揉めて…
先ほどの瑠花の言葉を思い出す。
―…すべてを捨てる覚悟はできていたの。


