隣にいた瑠花は荷物を持ち俺に背中を向けた。
背中が震えている。
きっと泣いているのだろう。
だけど俺には抱きしめてあげることさえも、涙を拭いてあげることも出来ない。
泣かせてしまったのは俺だから。
「…明日から付き合う前と変わらないただの幼なじみになるから。もう俊介のことを好きになったりはしない…」
それは精一杯の強がりだったのか。
「…瑠花は俺のこと好きだった?」
「当たり前のこと聞かないで。そうやって聞くのは残酷すぎるわよ…」
そう言って一歩一歩俺からの離れていく瑠花。
今なら手を伸ばして抱き寄せることも出来るのに俺はしなかった。
瑠花には幸せになってもらいたい。
俺の強い思いが立ち込める。
「…瑠花、幸せになれよ」
もし瑠花にすべてを話していたらどうなっていたかな。
「それでもいいの」と言って俺を選んでくれるかな。
でももう遅いよね。
キミは前を向いて歩いているのだから。
それを後ろから呼び止めるなんて出来ないよ。
俺は子供だったからこんな道しか選ぶことしか出来なかった…
だけどね、瑠花。
瑠花と兄妹だったとしても瑠花の愛はちゃんと伝わってきたよ。
一夜限りの過ちを許して。
あの夜の流れ星は誰の願いだったのかな。
キミはどう思う?
俺は瑠花の背中を見つめながら心の中でこう呟く。
「……愛しているよ。これからも……ずっと…」


