地元の駅に着いたのは行きよりも帰りの方が早く感じた。
昼に差し掛かる少し前だった。
俺は瑠花と手を繋ぎ改札を出る。
そしてゆっくりと繋いでいた手を離した。
これが…俺の答え。
もう泣かないと誓ったのに溢れるのは透明の涙。
「…どうかしたの?」
「……今日で最後…」
「……え…何が?」
俺は瑠花の方へ顔を向けることはなかった。
今瑠花を見たら「嘘だよ」って笑って誤魔化すと思うから。
本当は最後なんかにしたくない。
だけど瑠花の幸せを願ったらこうするしかなかった。
前に渓斗が言っていた言葉が今ようやく分かった気がする。
「相手の幸せを願うのも必要だ」
俺は瑠花を…
瑠花には幸せになってもらいたい。
「俊介……?」
「瑠花とこうやって手を繋ぐのも、抱きしめるのもキスをするのも…今日で終わり…」
「と…突然なに?」
やはり瑠花は混乱しているようだ。
それは俺も同じだった。
混乱が涙に変わり視界を歪ませる。
でも…この答えを変えるつもりなかった。


