天文台に着くと、白石さんがそこにはいた。
天体望遠鏡を覗きながら何かを見ている。
「白石さん?」
名前を呼ぶと白石さんは「待っていたよ」と言い、柱に設置された赤いボタンを押して電気を消した。
すると天文台の天井が開き、広がったのは解放された夜空だった。
それを見上げると俺は言葉を見失った。
そこには満天の星が輝いていたからだ。
こんな星の数を見たのは初めてだった。
俺が見ていた夜空も綺麗だったのに今目に映るのは言葉を忘れてしまうくらいの星の数で、そして何より美しかった。
屈託などなく磨きあげられたそれは一生懸命光っていた。
「……何だよ、これ…」
「綺麗…こんな星見たことない」
「そうだろ?それがここの売りだからね」
首を痛めるなんてどうでもいい。
いつまでも見ていたい夜空があった。


