夜空に咲く僕たちの願い



二時間弱の電車の旅は憂鬱なんかじゃなかった。
隣には瑠花がいたし、会話が無くても平気だった。
同じ空間にいられたことが何よりの幸せだから。


改札を出て表通りに出ると一台の車が停まっていた。
すると中からある男の人が俺たちを確認して降りてきた。
俺は少し警戒をする。
すらっとした背丈に、白髪混じりの髪の毛、そして髭を生やしたワイルドな身なり。
「金を出せ」なんて言われたらどうしよう。
俺ってやっぱりテレビの影響を受けすぎだろうか?



「もしかして矢吹俊介くん?」



低い声で見知らぬ人はこう言った。
突然のことで戸惑いを隠せない。
するとそのまま話を続けていった。



「僕、ペンションのオーナーの白石と言います。翔太くんのお友達だよね?お迎えに参りました」



と丁寧に挨拶をする。
それを聞いた途端不安はどっかに消えて元気よく「はい!」と言っていた。