「ありがとう、母さん。聞けてスッキリしたよ。」
「……ごめん…ごめんね、俊介」
母さんは電話越しで泣いていた。
大人でもこんなにも泣くのだと初めて気付いた。
声を上げて泣きじゃくる母さんが子供に戻ったかのようだった。
「あのさ、母さん。俺…自分の幸せを見つけてくるよ。帰るのは月曜日になる。安心して、ちゃんと帰ってくるから」
俺はそう言って携帯の電源ボタンを静かに押した。
力強く押すと携帯電話は電源が落ちて真っ暗となる。
まるで俺の心のようでどこか笑えた。
「俊介…聞いたか?」
「あぁ、聞いたよ」
「それで…俊介は…」
俺は携帯をズボンのポケットにしまい、ブランコをゆっくりと漕いだ。
茜色に染まる空からちらりと星が顔を出していた。
こんなにも寂しい俺の瞳にも眩しいくらいの星たちが映る。
そんな些細なことでさえ俺の弱い心に溶け込んでいった。


