遊心が七海の隣に引越してきたのはそれから1ヶ月あとのことだった。
その行動に私は驚いたが遊心がそうしたかったらしく、家族の反対を押しきり高級住宅マンションから普通ランクのマンションに入居した。
だがそれに素直に従うかのように妻の静華さん、そして俊介と同い年の瑠花ちゃんも遊心についてきた。
まさか遊心と静華さんにも子供がいたなんて、と心が痛くなったが私は言える立場にもいなかったし、黙っていた。
静華さんには俊介のお父さんは病死したと伝えてある。
遊心にも秘密にするよう強く念を押した。
何もかも秘密にするのが一番だと思っていた。
そしてこの秘密を知っているのは私と七海と遊心だけ。
苦しむのは私だけでいい。
地獄に堕ちるのは私だけでいい。
私は俊介を産んで良かったと思っている。
だから俊介には幸せになって欲しい。
だけどもし俊介が瑠花ちゃんのことが好きになったらといつも不安になっていた。
でもね、私は何も言わないよ。
俊介が瑠花ちゃんを好きなら好きでいてくれていい。
結婚は許されないけれど…俊介の幸せがこの形なら私はそれを受け入れる。
だって子供の幸せを願わないのは母親失格でしょう?
私は俊介が幸せなら私も幸せなのよ。ずっと…。


