夜空に咲く僕たちの願い



渓斗が最近見つけたという場所はここからあまり遠くはなかった。
遠くもなく、近くもなく、ちょうどいい距離にあった。
その間俺たちはたくさんの話で盛り上がった。



「瑠花ね、流れ星って見たことないんだ。今日見れるかな?」



「違うよ、流れ星は誰かの願いが叶う頃に流れるから簡単には見られないよ」



そう俺が言うと渓斗は笑いながら頷いていた。



「そうだよね…ね!俊介と渓斗は何てお願いするの?」




道が次第に狭くなっていく。
草が増え、大人一人が通れるか通れないか、それくらい細い道だった。
外灯すらない山道は転ばないように気をつけるのに必死だった。

瑠花の言葉を聞いた俺は足を止めてしまう。
いきなり何を言うんだよ。
それは自分だけの秘密だろ?




「瑠花、それは内緒。な?俊介?言ったら意味ないもんな」



後ろから渓斗の声が聞こえてくる。
そう言って俺の背中をぽんぽんっと叩いた。