行きたい気持ちは大きかった。でも条件に満たされていないのは事実だった。
人生一度の恥だと思えばいい。頭を下げるなんてこれからもあるかもしれない。
その時のための練習だと思えば楽になるだろうか。
「……翔太頼む…お金を貸してくれ……」
深々と頭を下げる。
額がテーブルの上に当たった。でも本当ならもっと下げたかった。
翔太だって友達のこんな情けない姿なんて見たくないはずだ。不快にさせて悪い。
だけど…。
「俊介くん…」
「今日ホームページを見てどうしても瑠花と行きたいって思った。瑠花にも見せてあげたいんだ。そこで永遠を誓いたい。今はまだ子供の恋愛だし、もしかしたら終わるかもしれない。だけど…それは嫌だから…だから…」
瑠花とずっと一緒にいたかった。
5年先、10年先。
いや、明日に世界が滅んでも、空の上で愛せたら俺は幸せだった。


