夜空に咲く僕たちの願い




冬は陽が落ちるのが早い。
それは夏に比べて異常な程で。その異常な速度が自分を焦らせていたのかもしれない。



夕方になり、俺は部屋着のままダウンコートを着て家を飛び出した。
夜勤明けから帰ってきた母親にカレーが手付かずだと怒られ渋々食べたあと昼寝をし、夕方ある行動に出た。
それは指輪の支払いと、ある人に相談するため。

やはり昼寝をしてもペンションのことが諦められなかった俺は言った本人の翔太に相談しようと決意した。
翔太は学校帰り、バイトがあるため“星屑ぽけっと”まで来て欲しいと言われた。

コンビニに行ったあとに行こう。



静かすぎる廊下を歩くと、目の前から瑠花のお母さんが歩いてくる。
彼女は小柄で少し人見知りをする癖がある。
だけど優しく可愛らしい人だった。

…でも今日は違った。


目の前から歩いてくる彼女からはいつもの華やかさなど無に近かった。
化粧をしてないせいか、肌が青白い。
体調でも悪いのだろうか?




「瑠花のおばさん。何か元気ないね」



「………俊ちゃん。」





前に渓斗がこんなことを言っていた。


「もしこれから誰かに変なことを言われても俊介は自分の気持ちを見失ったりするなよ。」





この時の俺は渓斗の言った言葉の意味を理解することは出来なかった。