真っ白の壁に「さぁ描きなさい」と言われたら俺は何を描くだろう。
青空を描くだろうか。
それとも星空を描くだろうか。
16歳のときの俺は心にそんな余裕などなくて。
真っ黒な絵の具で塗り潰してしまいたかった。
「なぜこれを描いたのですか?」と言われたらこう答えようと思っていた。
「僕の心の闇です」って。
笑っちゃうだろ?
俺って本当に小さい人間だった。
…寄り添って鼓動の音を感じる。
手を握りながら、瑠花は何を思っていたのだろう。
響き渡るチャイムの音が何を表していたのだろう。
「そろそろ戻ろっか。帰ってきたら連絡して。」
「分かった。ばいばい」
手を振り瑠花と別れる。
あぁ、寂しいな…なんてね。
近くに住んでいるのだから会いたいと思えばすぐに会えるのだけれど。
瑠花の後ろ姿を見てこう思う。
「キミは俺のものです…」


